おせっかいおばちゃん化計画

道ばたに落とし物を見つけたとき、駅できょろきょろしている人を見つけたとき、気になりつつも素通りしてしまうことがあります。車内でお年寄りに席を譲ったりするのはさっと動ける方だと思う。でも通勤退勤の人の波に乗ってしまうと、「あ」と思いながらもただ通り過ぎてしまうだけの日々が続く。

そういうときはきまって、心にもやっとしたものが引っかかる。そして何度目かわからない見て見ぬふりのあと、わたしの中で何かがはじけた。

 これはいかん。由々しき事態ぞ。こうやって人々のコミュニケーションは失われ、人間関係は希薄になり、社会は冷たくなっていくのねん。そんなの悲しいわ。でも自分の行動が誰かの役に立つかなんて、結局のところわからない。だからわたしは自分がもやもやしないために、己の満足のためだけに、「おせっかいおばちゃん化計画」を推し進めることにしました。

その結果。

わずか一ヶ月の間にお財布を二度拾う。「かばん開いてますよ」は使用頻度高い。駅のベンチで突っ伏していた女子学生、具合悪いのかと心配で声を掛けたら超絶寝起きフェイスで「寝てましたぁ~」って。あらら、起こしちゃってごめんね。でもお姉さんは安心したよ。よかったよかった。

まだ勇気がなくて実現できていないけど、今度は行きずりの人の装いを褒めてみたい。「素敵なワンピースですね」って。おせっかいおばちゃん化計画、万歳!